甘く、さやさやと


林のひだまりを愛し、
くったくのない笑顔を見せるのは、ミスミソウ。
凍てつく冬を耐えたりはしない。
ぐっすりとすやすやと眠って、柔らかく咲く。

いつものように小さな花束にして、
門出のあなたに贈ろう。
どうぞ、さくらいろの風にのって。

萩尾エリ子 / simples