一輪の幸を 2022年04月01日 掲載 「花が咲いているよ」と、少年は小道を駆けてゆく。 「それは春のしるし。見つけた人は幸せになるのよ」と私が言うと、 彼は弾むようにまた走る。 凍てつく冬を過ごしたユキワリソウ。 少年!あれからいくつも咲いたよ。 春は、いつもよりゆっくりとやってきた。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »