柔らかく清らかな 2018年06月01日 掲載 瓶の底、あるいは袋の底に残る黄色い花芯を大地に播く。 薬草店だから、山ほど出る花の一部。 秋には、それは幼な葉を出し、雪に埋もれ厳冬を過ごした。 雨に打たれても、やがて背筋を伸ばす。 朝ごとにカモミールの花を摘む。指先にりんごの香り。風も甘い。 母なるハーブの偉大さ、そして慎ましさを今さらに想う。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »