菫の花咲く頃 2018年05月01日 掲載 菫の砂糖漬けを皇妃エリーザベトは愛した。 美しい色と香りを閉じこめた甘い花は、ウィーンの古い菓子店に今も並ぶ。 ロンドンのペンハリガンという古い香水店では、薄水色の“Violetta”が誰かを待っている。 私達も手掌の花束にして、シロップに漬けて、その仄かな香りと姿を愛でる。 緑が深くなれば、菫たちはたくさんの種を抱き、次の春に夢をつなぐ。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »