胸に手をおき 2018年04月01日 掲載 ふっくらとした落葉の中から、忘れな草の幼な葉が顔を出す。 重なった葉をそっと除くのは、春一番の庭仕事。 キクザキイチゲもクルマバソウも、光を待ちかねていた。 まだ茶色の庭を、子供たちは無邪気に駆けまわる。 無理もない。小道との境は貝殻や石、木の枝だもの。 でも、こういう庭が好きだから。 どうぞ、生まれたての緑を踏むことのないように。 早春の心配事は、他愛もない。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »