ひと滴、ひと光 2018年01月01日 掲載 一年の光が、スピリッツ・シロップに溶ける。 ウスベニアオイの花は甘い水にうっすらと紅をさし、 異国のバニラは眠りから醒める。 数滴の、あるいは盃に少し。 閉じこめた季節は放たれ、静かな香りの旋律が流れる。 ニオイスミレやキバナノクリンザクラを想う。 一日ごとに夜明けが早くなる。 年ごとに愛しいものが増えた。 それは、気がつけばいつも傍らにあったもの。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »