ちょっとそこまで 2017年12月01日 掲載 北風が吹くと、松や樅の小枝を取りにゆく。 林のあちこちから、ひと枝ずつ。 集めた緑は洗面器に入れ、あつあつの湯をそそぐ。 時にはみかんの皮、ローズマリーの枝、タイム、ラベンダーをはらりと。 光を含んだ香気はふわふわと昇り、冬の部屋を満たす。 なぜか、一度も行ったことのないフィンランドのサウナ小屋を想う。 ボール一杯のカフェオレ、レーズンロール。 小さな森を集めて、小さな旅をする。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »