風が吹いたら 2017年10月01日 掲載 幼い頃、童話の世界の森に憧れた。 椿の茂みの下で、想像をふくらませた。 今はもう木の下にもぐらなくても、森は近くにある。 とりわけ小さな森が。 裏庭の木々は育ち、木陰をつくり、落ち葉を積もらせ、静かな香りを放つ。 名も知らぬきのこたちが、さわさわと語らう。 青い実がポトンと落ちた。 ここはアリスも又三郎もやってくる。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »