グリーンノート 2014年07月01日 掲載 病院のリンデンバウムの花が咲き、ベンチに座るその人は今日が退院という。 初めて会った私に、彼女の言葉は溢れる。 回復の日々、美しいこの庭に救われたと。 「庭の時間」は優しい。 リンデンバウムの木は、私が16年前に植えたもの。 青年が畑の花々を届けてくれた。 次の日、その花は籠に盛られ、友人のお母様との最期のひとときに寄り添った。 夏の物語は、小さな花のようにいくつも咲いた。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »