小さく光る 2013年05月01日 掲載 花たちにきらきらと光る砂糖をまぶす。 4月の雪に首をすくめた花々を、美しい砂糖衣に包む。 20年も前に書いた「花の砂糖菓子」。外国の本を頼りに、幾度も作った。 小皿にのせ、90歳の母に届ける。 細い指先がつまむ。「きれいね。甘いのね」。 ニオイスミレ、プリムローズ、サクラ…。 外国の本にはサクラはなかった。 今の私を、初めての本を書いた頃に戻してみよう。 新しい世界がもうひとつ、見えるかもしれない。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »