フィレンツェから

【写真】
小さな教会の広場には必ず人が居た。
まわりにはとびきり美味のジェラート店、惣菜とワインを売る店。

3種類のピッツァのみ、夜だけ開く2人のおじさんの店があった。
夕闇せまれば、あかあかと燃える石窯は小道を照らす。
物語のような場所で、ゆっくりと過ごした。

緑の香りの中、笑顔で私たちのショップを目指す人たちがいる。
人生の旅人の休むことのできる小さな庭を、
上等の、そして夢のような場所を、慎み深く育て守ってゆこうと心から思った。

萩尾エリ子 / simples