庭 2012年06月01日 掲載 アドバイスをしたのは20年も前のこと。 「もう一度、お願いしたいの。お茶と料理を楽しむ庭を」。 別荘の暮らしを存分に楽しんだご夫婦の言葉だった。 お二人の心弾む庭仕事の場となるよう、ほんの少しお手伝いをしよう。 若い人の手を借りて、小道を作り、種を播いた。 季節は熟成し、新たな豊穣を人にも与える。 私のものを見る眼も指先も、若い頃とは違うものを味わう。 細やかな柔らかい植物の織りなす様。 漂う空気。 ショップの庭では、忘れな草の青が揺れる。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »