積み続けて 2012年05月01日 掲載 詳しい物語りは知らない。 ただ彼女はひたすら50年をかけ、石の劇場を作った。 孤高の人は時をかけること、思いは両手で運びかたちにすることを教えてくれた。 いつのことだったか、たった数秒のコマーシャル映像の中で。 今、戴いた英国みやげのポストカードはその人だった。 白髪のたたずまいは、軽々と飄々と妖精。 私の中にまた灯がともり、泉の清冽なひとしずくが甦る。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »