この手を 2012年02月01日 掲載 ふわりと小さなおむすびに、その味噌をのせた。 年々にいただく味噌の中でも、この味と色は類なく優しい。 天災と人災の年を眠り続け、今、福島の味噌が息をする。 口の中に広がる滋味が語りかける。 失ったものを数える手は、受けとり受け継ぐものを育てる手に変われと。 木の間をリスが走る。春は近い。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »