美しきは今 2011年11月01日 掲載 「今、行かないと」。 その人は杖をたよりに木の葉舞う秋を歩く。 花の木の赤を見るために。 「来てよかった。来年はわからないから」。 終の住処をこの地でと思う年上の友。その気持ちは爽やかで切なくて愛しい。 たくさんの勇気を必要とする治療を受け入れた友には、地を彩る葉の写真を送る。 もう少し、この世にいたいと返事がきた。 光は明るく木々を抜ける。この世界は美しい。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »