夏に咲く 2011年07月01日 掲載 ケアホームで暮らす母のために花を届けることは、私の慣いとなった。バラの専門家に植栽と手入れをお願いしたのは、母の家の一隅。次の年にみごとな花を咲かせ、バラを摘む喜びを私に与えてくれた。 かご一杯の花は、ショップにも生けてもらう。窓辺は夢のような場所になる。 バラの専門家は、不安と喜びを両手で抱え、めだたずこつこつと、必要とする人のためにバラを咲かせてきた。 積んできた日々の長さが生んだ、美しい仕事。 香りが風にのる。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »