友よ 2011年05月01日 掲載 匂いスミレが咲きました。 それはとても小さくて、花束にしても片手の中にすっぽりとおさまるほどです。 あなたには、まだ日常は戻っていないのですね。 一日一日、自分と家族のことで精一杯。 その震えるような痛みは、あなたの中で必ず美しいスミレの花を咲かせる。 いたわりの言葉など、風に舞う。 ただ抱きしめることができたらと思います。 私は、あなたのかわりにいつものように春の花を摘み、土を起こします。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »