灯に願う

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小川の縁に蝋燭を灯す。
刻々と日は暮れて、思いもかけぬ幽玄のひとときが現れる。
この夏、旅する人を癒した水音は薄闇に溶ける。

清しき風と光をはらむ、小さな流れ。
叶うものなら心にこそ欲しいもの。
絶やさず、とどまることなく。

萩尾エリ子 / simples