光差して

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その場所は散歩のたびに通った。
見知らぬ木の花が香り、茨が行く手を閉ざしていた。

その一部は店の駐車場となる。
木々を残し、光と風を入れた。
野の花たちは息を吹き返し、大きな樅の木はのびのびと空へ向かう。
そして、埋もれていた井戸が生きかえった。

慎ましく優しい人の手で、もう一度命を得ること。
私たちの願う仕事、テーマです。

萩尾エリ子 / simples