いっぷく、口福 2009年02月01日 掲載 草の葉、木の葉、花々を静かにお湯で出し、茶碗にそそぐ。 茶の葉が日常となる前に、続いてきた人の所作。 羊の糸は手首を包み、るり子さんの器はすっぽりの手の中。 掌中の暖はのどをとおり、身の内に広がる静かな日光浴。 余分はいらない。たっぷりといっぷく。 憂いは晴れ、心は澄み、ほーっと息を吐く。 今日は雨。 球根たちよ、木の芽たちよ、春は少し先。 慌てないで、いつも通りにゆっくりと。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »