ひと花に 2008年11月01日 掲載 学生時代の友人と旅をした。 友人の友は、歴史ある温泉旅館を閉じ、今、静かに暮らす。 それぞれが、それぞれに痛みの日々を持ち、過ごしてきた。 こんこんと湧き出る湯と、海の幸が今日の恵み。 ずっと暮らしてきたからこその恵み。 金色の葉が降りそそぐ庭に、小春日和を友として、 一輪だけのデイジーが咲いた。 冷たく澄んだ大気の中、何故か心の奥は温かい。 萩尾エリ子 / simples « 新しい記事 | 古い記事 »