ひと月のあいだに、プリムローズもカウスリップもたくさんの花をつけ、川ぞいの小道で揺れています。
霜の降る夜を幾度も過ごし、こぼれ種は新しい緑となりました。
アンジェリカ、チャービル、ジャーマンカモミール…
小さく、強く、この庭で生きる意志を持つ幼い葉は、どれも美しく愛しいものばかりです。
目立つものはないけれど、柔らかに時が育てあげる小さな庭。
よく目を凝らして、ご覧下さい。
これから咲くのは忘れな草の青い花と、スウィートウッドラフの白い花。
ハーバルノートスタイルです。
萩尾エリ子 / simples