ガイア理論をとなえるJ.ラブロック博士は、コンピュータの単純モデル“デイジーワールド”を深訪してゆきます。
デイジーという言葉にひかれ、著作のその部分を何度も読みかえしました。何もない裸地より、デイジーの育つ場所は、わずかでも地球の恒常性を支えてくれます。デイジーワールドを探ることで、多様な植物の必要性を理解する手だてともなります。
八ヶ岳が白くなり、10月の終わりに初雪が降りました。地球は白い息を吐いたり、汗を流したりして、健やかに生きる努力をしているようです。
庭のデイジーは、この季節にも花を咲かせ、みずみずしい緑の仲間をひっそりと増やしていました。美しい紅葉と初雪の間で、私たちも惑星を支える仲間の生きものでいたいと、また新たに思うのです。
萩尾エリ子 / simples